私を壊して そしてキスして
「靖司があなたと会わないのは、あなたたちの問題でしょ。
フラれたんじゃないの?」
こんなこと言うつもりなんてなかった。
だけど……。
「な、何よ。靖司さんはお姉ちゃんに遠慮してるのよ。
騙されたのは靖司さんの方よ」
騙されたって……そんなのいくらなんでも酷い。
「私はもう関係ない。巻き込まないで」
そう言って立ち上がろうとした私を制する。
「関係なくない。お姉ちゃんが、靖司さんに何か言ったはずよ」
私は何も……。
ただ、愛希をお願いしますって。
「ちゃんと、靖司さんに話してよ。でなきゃ、私と彼は、前に進めない」
そんなの勝手だ。勝手すぎる。
だけど、愛希なりに必死なんだ。