私を壊して そしてキスして
俺が助けてやる――。
そう、きっと彼なら助けてくれる。
実際、どん底にあった私を、ここまで立ち直らせてくれた。
迷ったけれど、私は口を開いた。
「愛希に……」
「妹さん?」
「はい。愛希に、呼び出されて……私のせいで彼と上手くいかないって」
ふーっと大きくため息をついた彼は、しばらく黙ったまま何かを考えている。
「菜那、お前はあいつとよりをもどしたい?」
そんなわけない。
今の私は、翔梧さんが……。
私は首を横に振った。
「なら、俺のものになれ」
「えっ?」
「そして、宣言しに行くぞ? もうお前は関係ないって」
彼がそんなに面倒なことまでしてくれようとしているのが分かって、胸が締め付けられる。