私を壊して そしてキスして

そのままゆっくり抱き寄せられた私。
私も彼の背中に手を回すと、彼のため息が耳に響いた。


「してください」

「ん?」

「翔梧さんの、ものに」


私がそう言うと、彼が一層力を込めて私を抱き寄せる。
そして、その力が緩んだ瞬間、甘いキスが降ってきた。


ベッドに沈んでいく私。

彼が深いキスを私に落とす。
何度も何度も繰り返されるそれは、私の幸せを運んでくるようだ。


「菜那……ずっと、傍にいろ」

「――はい」

「愛して……る」


私の顔の横に両手をついて、真直ぐに見下ろす彼がそう言ったとき、涙がこぼれてしまった。



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