私を壊して そしてキスして
ボタンを二つ外し終わった彼は、ゆっくりと近づいて鎖骨のあたりを強く吸い上げた。
「んっ……」
微かな痛みとともに、彼の温かい体温を感じる。
「菜那、他の誰にも触れさせないでくれ」
「えっ?」
「こんな風に、自暴自棄になって。
そんなお前を、他の奴に触れさせたくない。お前は、俺が必ず振り向かせる」
「翔梧さん……」
再び私を腕の中に誘った彼は、大きく息を吐き出した。
「ごめん。我慢できなかった。最低だな、俺。
だけど……お前を好きな気持ちは、本気だ」
彼はそう言いながら、私のボタンを一つはめてくれる。
それ以上はしようとしない彼。
本気なんだ。
本気で私の事を、好きでいてくれるんだ。