私を壊して そしてキスして
そして、母の電話で、父が靖司の家に怒鳴り込んだことを知った。
父と母、そして愛希……。
私の大切な家族が、再び元の姿に戻ったんだ。
母は帰っておいでと言ってくれたけれど、できればこのままいさせてほしいと頼み込んだ。
それは、翔梧さんが意外と寂しがり屋だって気がついたから。
私が視界から消えると、「菜那?」とすぐに呼ぶ声。
大きくしたベッドで二人で眠っていても、無意識なのに常に私の手をつかもうとする。
そんな彼が少しかわいらしくて、そして、私も彼と離れがたくて。