私を壊して そしてキスして
戻りたくない理由……。
「――えぇっ?」
まさか……私?
目を見開いて彼を見ると、ニッコリ笑う。
「翔梧さん……」
「俺って、ヤバいな。ストーカーみたいだ」
あははと声をあげて笑う彼だけど、私は何だかうれしくなった。
お風呂を出て寝室に向かうと、彼は疲れているのかもうベッドに寝転んでいた。
だけど……私がそっとそばに行くと、当たり前のように腕を引くから、彼の上に倒れ込んでしまう。
「ちょっと、翔梧さん」
「俺、肉食だって言ったっけ?」
「えっ……何……」
「毎日でも菜那が欲しい」
「でも、疲れて……」
「関係ない」
彼は上になっている私をグイッと引き寄せると、最初からねっとりと濃厚なキスをする。