私を壊して そしてキスして

やがて私の中に指を沈めた彼が、唐突にそれを動かすから、甘い溜息が漏れる。


「菜那、俺で感じてる……」


そうよ。
あなただからこんなに……。


何度も何度も私を絶頂に導いた彼が、一気に入ってくると、すべての理性が砕け散る。


「ん……っ」

思わず出てしまうため息も彼の唇に飲み込まれて――。


「菜那、ずっと俺の傍にいてくれ」


そんな彼の永遠を誓うような言葉に、思わず涙がこぼれる。


約束なんて、信じられないって思っていたはずなのに、彼の言葉は信じてみたい。

ずっとずっと、私だけを見ていてくれた彼を――。


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