私を壊して そしてキスして
「引き継ぎが終わったら、すぐに行くから」
「――はい」
彼とまた一緒に働くことができるなんて、夢のようだ。
「でも、その前に……旅行にでも行くか?」
「えっ?」
彼の言葉に思わず顔をあげる。
「アイツ、人使い荒いから、しばらくまとまった休みなんて取れないに違いない。
だから、その前にな」
彼の言葉が嬉しすぎて、顔がにやける。
もうこうして一緒に暮らしているけれど、仕事や日常に追われる世界から離れるのもいいかもしれない。