私を壊して そしてキスして
その後すぐに、彼の家に連れて行かれる。
行動力があるというのはこういう事なのかもしれないと思ってしまうほど、彼の行動は早かった。
彼が車を止めたのは、私とは縁遠いような大きな家。
しかも、純和風なその家は、庭の剪定も行き届いていて実に上品で、私なんてとてもそぐわないと思ってしまった。
「翔梧さん……あのっ」
「あぁ、心配いらない」
彼はそんな風に言ったけれど、途端に心臓が激しく打ち出す。
「だって、こんなに大きなお家だなんて、聞いてません」
「言ってないな」
あははと笑う彼は、「それがどうした?」なんて顔をして私を引っ張る。