私を壊して そしてキスして

「着物がしわになっちゃう」

「クリーニングに出せばいいさ」

「ふふ」

「なんだ?」

「翔梧さん、お花を生けるんだね」

「悪いか」


彼が私の頬をつねりながら、笑顔を向ける。


「今度教えてください」

「まぁ、そのうちな」

「私、翔梧さんの家の人になりたいから」

「菜那……」


彼はとても優しい顔をして、もう一度キスをくれた。


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