私を壊して そしてキスして

ほんの少し前まで、絶望の中にいた私。
だけど、今は……。


「菜那……」

「はい」

「我慢、できないんだけど」

「――はい」


私も、できない。
彼が欲しい。


私の返事とともに、彼のゴツゴツした男らしい手が私の太股を撫で上げる。
そのまま上に移動してきて、浴衣の上から胸を揉みしだく。


「はぁ……」


たちまち甘いため息が出てしまう私を、意地悪な彼は余裕の顔で見下ろして……。


ゆっくり私の浴衣を剥ぐことですら、まるで楽しんでいるかのようで。
胸元をはだけた彼は、驚くほど色気があって。

やがて一糸纏わぬ姿になった私は、彼の愛撫に悶えるしかなくなった。


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