私を壊して そしてキスして
「菜那。キスして」
今度そういったのは彼のほう。
「好きなの。大好き」
恥ずかしくても、彼が欲しくてたまらない。
彼の言うままに、自分からキスをすると、すぐに彼は私を抱き寄せて抱えた。
彼は私をがっちり抱きしめて離そうとしない。
彼の厚い胸板に滴る汗が、激しい情事を物語っていて。
「菜那……」
低いうめき声を上げながら、彼は果てた。
「あーこうしているのが夢みたいだ。好きだ、菜那」
その後も、私を抱き寄せて優しいキスを落としながらそうささやく彼に私もしがみつく。
そっと涙を流す私に気がついた彼は、それを手で拭う。
「泣くな。もう俺が泣かせない」
「だって嬉しいんだもの」
私がそういうと、彼はたくましい腕で私を包み込んだ。