私を壊して そしてキスして

未来へ


彼と一緒の初めての出勤。

一緒じゃまずいと思って離れようとすると、がっちり手を握られて引き戻される。


「いいの。もう夫婦なんだから」

「でも……」


私の心配をよそに、ズカズカと足を進める彼。
私は彼の後をこっそりついて行く。

夫婦になったとはいえ、やっぱり恥ずかしいから。


会社のドアをくぐると、もう来ていた数人が彼に頭を下げる。


「おはよう」


堂々とした姿で挨拶し返した彼は、私に「ちょっと」と促して社長室兼会議室に向かった。



< 321 / 372 >

この作品をシェア

pagetop