私を壊して そしてキスして
未来へ
彼と一緒の初めての出勤。
一緒じゃまずいと思って離れようとすると、がっちり手を握られて引き戻される。
「いいの。もう夫婦なんだから」
「でも……」
私の心配をよそに、ズカズカと足を進める彼。
私は彼の後をこっそりついて行く。
夫婦になったとはいえ、やっぱり恥ずかしいから。
会社のドアをくぐると、もう来ていた数人が彼に頭を下げる。
「おはよう」
堂々とした姿で挨拶し返した彼は、私に「ちょっと」と促して社長室兼会議室に向かった。