私を壊して そしてキスして

「ちょっと、これだと胃もたれしそうですかね」

「そうね。野菜いっとこうか」


平井さんの家で、こうして二人にキッチンに立つのはもう3度目だ。


「恭子、ビール」

「もう、それくらい自分で持ちに来なさいよ」


そんなことを言いながら、平井さんの為に動くのはまんざらでもなさそうだ。
そして、そんな幸せそうな彼女の姿を見ることで、私も温かい気持ちになれた。


私以外の3人は酒豪で、ちょっと呑んだくらいでは酔っぱらったりしない。

だけど、少しだけテンションがあがって、とても楽しい時間になるのだ。



< 332 / 372 >

この作品をシェア

pagetop