私を壊して そしてキスして


目を閉じて彼の優しい吐息を感じる。


「菜那」


耳を甘噛みしながらゆっくり太股をなでられると、ゾクッとする感覚が私の中を走る。


「菜那、キスして」


そんなことを言われて恥ずかしかったけれど、彼の首に手を回して自分からキスを求める。


それからは、彼に抱きついて悶えることしかできなくなる。
少しの余裕もない私は、髪を振り乱してシーツをつかむ。


「あぁっ……止めて」

「止めない」


こうやって彼の仕掛けた罠に易々と引っかかって、深い快楽へ落ちていく。


< 345 / 372 >

この作品をシェア

pagetop