私を壊して そしてキスして

彼に抱き寄せられて激しい鼓動を耳にすると、とても幸せな気持ちになる。

ほんとうに彼の妻になったんだという安堵と、こんなに全力で愛してもらっているという実感。

そして、私も……。



「今頃あいつ等も」

「えっ?」

「上田」

「やだ……」


あまりにリアルなその言葉に頬を赤らめたけれど、きっと恭子さんだって嫉妬したに違いない。

好きだから、妬けるんだ。



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