私を壊して そしてキスして
責任
翔梧さんの家の流派が華展をされると知って、彼と二人で見に行くことになった。
そこはとあるデパートの展示ブースで、かなり広い。
翔梧さんのお母様にいただいた着物は、彼の手で着つけてもらった。
だけど、着こなしも歩き方も素人同然だ。
彼は着物は嫌だと言って、いつものスーツを着て私の手を取る。
着物姿、見たかったのに。
「足、大丈夫か?」
「あっ、はい。なんとか……」
慣れない草履に足が痛む。
彼の嫁として、これでは失格だ。
だけど、着物なんて成人式でしか着たことがないから仕方がない。
私を気遣ってゆっくり歩いてくれる彼にもたれかかるように歩くと、少し和らいだ。