私を壊して そしてキスして
「それにしても、ほんとに綺麗な嫁さんもらったな」
「触るなよ?」
「じゃあ、見る」
「見んな」
彼がこんな風に旧来の友人とリラックスしている姿を見るのは新鮮だ。
「式はするんだろ?」
「あぁ。お前の6代目襲名が終わったらな」
「律儀なやつ」
翔梧さんは、襲名が終わるまで式を待ってほしいと言っていた。
それは彼なりのけじめ。
家を継がないと決めたとはいえ、翔梧さんはきちんと家のことも考えているに違いない。