私を壊して そしてキスして

「初めまして。
凌雅さんがお付き合いされている方、ですよね」


傍まで行って頭を下げると、突然のことで驚いている。


「私、柳瀬の……妻です。お世話になります」


妻だなんて恥ずかしくて一瞬ためらったけれど、他にどう言っていいのか分からなくて。


「えっ、そうなんですか。
そんな方にご挨拶いただくなんて、私……」


激しく首を振りながら恐縮する彼女。
だけど、私だってこの世界の人間ではない。


「行きましょう」
「えっ……」


私の突然の提案にためらう彼女の手を少し強引に引っ張って中へと入る。





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