私を壊して そしてキスして
「おぉ、来てくれたのか」
それでも尻ごみする彼女を、凌雅さんのところまでお連れすると、予想通りの声。
「彼女、ずっと入り口にいらしたんですよ?」
「どうして?」
「気にされているんです。
この世界にそぐわないんじゃないかって」
「バカだなぁ。そんなこと気にしなくてもいいのに。
お前は俺の彼女なんだから、遠慮するな」
彼のそんな言葉に頬を赤らめている彼女は、とてもかわいらしい。
「それじゃ、俺たちは行くよ」
隣にやってきた翔梧さんが私の手を引く。
彼女と二人にしてあげよう。
「来てくれてサンキュ。
おっと、こんな下品な口調はしちゃいけないな」
「愚痴は聞いてやる」
「おぉ」
こんな二人の関係がなんだか微笑ましく思えた。