私を壊して そしてキスして
「幸せだな。菜那の隣で目覚める朝は」
彼がそう言いながら、私の髪を優しく撫でる。
彼に抱きしめられていることが恥ずかしくてたまらないのに、そのゆっくり流れる時間に心まで溶かされそうだ。
「あっ、私、家に……」
何も連絡せず外泊してしまったことを思い出すと、彼が私を更に抱き寄せる。
「電話しておいたよ。気分が悪いみたいだから、ビジネスホテルに泊まらせますって。嘘、吐いちまったな」
そんなことまで……。
「ごめんなさい、私……」
少し泣きそうになってそんな言葉を口にすると、彼はクスッと笑って私を見つめた。