私を壊して そしてキスして

「そっちは?」


平井が指さしたもう一つ。


「これは僕のですからね」


慌てて平井から隠したその袋を、後ろからひょいっと取り上げて中を覗くと……。


「ちょっと!　職権乱用っす!」


あれが上田のだとすると、多分これは……。


あはは
一緒に覗き込んだ平井がまた笑う。


"ごめんなさい。義理チョコです。いつもありがとうございます。"


上田よりは丁寧にマイルドに書かれているそれ。
だけど、内容は一緒だ。