私を壊して そしてキスして
「なるほどな」
「だなー」
平井と顔を見合わせている俺を見た橋本が首をかしげているけれど、あの二人が早く帰る訳がこれかもしれないと思ったのだ。
だけど……その割にはずいぶん前からのような?
「おい、俺はもう帰る」
「俺もそうする。橋本、あとよろしくな」
「マジで……これから告白とかあるかも……」
「ない」
バッサリ切り捨てた平井の言葉とともに、散らばった書類を片付けて会社を出る。
こんなの明日すればいい。
今日は多分……待っているから。