私を壊して そしてキスして

いつもはチャイムを鳴らすけれど、そーっと自分で鍵を開けて玄関に足を踏み入れる。

「菜那……」


すると、いつもの靴箱の上に驚くものが。
それは、見事に生けられた花だった。

これはもしかして……。

一応規則に従って役枝といわれるものが3点ある。
それは好き勝手に生けたわけではないことを示していて……俺も教えた記憶がないのに。


まさか。


驚いてリビングに顔を出したけれど、そこには彼女の姿がなくて。
寝室のドアが少し開いているのに気が付いて、そっとそこを覗いた。



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