私を壊して そしてキスして
「菜那を家政婦にするつもりはない。俺の恋人にするつもりだ。
だけど、それまではおせっかいなお兄さんでもいい。
あっ、おじさんは止めてくれな?」
彼がそんなことを言うから、思わず吹き出してしまう。
「だから、一緒に帰ろう。お前一人では帰すつもりはないよ」
「ありがとうございます、翔梧さん」
彼の言葉に、胸が締め付けられるように痛くなる。
「さーてと。飯できた? 腹減ったんだけど」
「はい。今すぐ」
丁度できたコーヒーと、彼が買ってきた5枚きりのトースト。
そして、ベーコンエッグとレタスとトマトとモッツアレラチーズのサラダ。おまけにオレンジとキウイフルーツ。
全然凝ったものではないけれど、それでも彼が喜んでくれているのはよく分かった。