私を壊して そしてキスして

「いただきます」


丁寧に手を合わせてフォークをとった彼は、一気にベーコンを口に運んだ。


「出来立てのものをこうして食べるのって、最高だ」


その言葉に思わず笑みがこぼれる。

けれど……「菜那も食えよ」の言葉に、顔をしかめてしまう。


「――はい。いただきます」


トーストを口に運ぶ。

やっぱり少しも食べたくない。
それではいけないと、いつも無理矢理口に押し込んで飲み物で流し込んできた。
そして、今日も……。


「小食なんだな」


彼がコーヒーを片手に、いつの間にか私を見ている。


「えっ……はい」



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