私を壊して そしてキスして

食べなくちゃ。
食べなくちゃ彼が心配する。

胃が次第にムカムカしてくるのをこらえて、今度はサラダを口にする。

けれど、あまりの苦痛にもう耐えられなくなって……。


「ごめんなさい」


私はいつものようにトイレに駆け込んだ。


「摂食障害」

おそらく私につけられる病名はこれだと思う。

あの日以来急速に減ってきた体重。
どれだけ努力しても吐いてしまう食事。

次第に皮膚の弾力すら失われている気がして、最近では心臓もドクドク鳴ることがある。


それでも会社では「ダイエットしてるんです」なんて嘘をつき、「結婚式あるもんね」なんて一番言われたくない言葉を言われ続けてきたんだ。


自分でも今の状態が正常だとは思ってはいない。
けれど、どうしようもないのだ。



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