私を壊して そしてキスして
ドアが開いた瞬間、彼の腕に閉じ込められて――。
「どうして一人で抱える」
「だって……こんな弱い……」
「もしそうだとしても、それが菜那なんだ。俺はそんなことでは動じない。菜那が、好きだから」
彼の言葉に目が覚める。
これが、私。
弱くて泣いてばかりいて……いつまでも前を向けない、私。
それを受け入れなければ、そこから進むことなんてできないのかもしれないと、気づかされる。
彼の胸にしがみついて、そのまま涙を流す。
辛いの。
辛くて仕方がないの。
誰かに助けてほしいの。
そんな気持ちが溢れ出てきそうで。