私を壊して そしてキスして
和やかに進む会話に、彼がストップをかける。
いよいよ核心に――。
「今日、お邪魔したのは、お願いがありまして」
翔梧さんの口から、私を一時的に引き取りたいという言葉が紡がれる。
「なんと、おっしゃって……」
母が目を丸くして驚いている。
当然だ。
こんな話、想定外だろう。
「香坂さんは今、少し心に傷を負っていらっしゃるように見えます。
それに自分で気がつきながら、どうにもできないところまで来ているように見受けられます。
大変失礼ですが、ご自宅が安らげる場所ではなくなってしまっていると感じました。
それで、もしよろしければ、しばらくの間私に預からせていただけないかと」
その言葉に、今度は父が顔を青くする。