私を壊して そしてキスして
いとも簡単に抱き上げられた私は、寝室に連れ込まれてベッドに投げ出される。
ギシッと軋むスプリングの音。
それと同時に覆いかぶさってきた彼が、昨日とは違って荒々しく私の唇を貪る。
私の右手と彼の左手がつながり合って、絡まった指と指が少しも離れたくないと主張している。
ほんのり汗ばんだ掌から、彼の熱い想いが伝わってくるようで。
「はぁ……」
少し息苦しいそのキスも、心の傷に比べたら、少しも苦しくなんかない。
「菜那、好きだ」
彼が私から唇を離して、真直ぐに見下ろしながらそんな言葉を紡ぎだす。