私を壊して そしてキスして

「菜那。俺、嫉妬で狂いそうだ。
お前があいつに触れられていたかと思うと……」


私の下唇に噛みつくようなキスを落としながらそう囁く彼は、今までに見たことのないような取り乱し方をしていて……。


彼も背広を脱ぎながら、それでもキスを止めない。
あっという間にネクタイを片手で器用に外して、床に放り投げた。

少し息の上がった彼。
そして、なぜだか涙の止まらない私。


あぁ、私はこの人に抱かれるんだ。
自分の気持ちに整理がつかないうちに。

だけど、それがとても心地いい気がするのは、何故だろう。


何度も何度も私の体を荒々しく這う手が、少しずつ止まっていく。

そして、ついには私の背中に回って、壊れそうなほどに抱き寄せられた。