私を壊して そしてキスして
「すまない。自分がこんなに嫉妬深いと知らなかった」
やがて私の体から離れた彼がどさっと体を横たえて、天井を見つめながらそう言う。
抱いてほしいといったのは、私だ。
彼に、抱かれたいと思った。
そうして、あの光景を忘れたいと。
だけど……そんなことをして傷を癒すのは、きっと翔梧さんに失礼なこと。
私のことを真剣に好きでいてくれる彼には。
きちんと私の気持ちが、彼の方に向かなければ。
「ごめんなさい、私……」
「何も言うな。菜那が俺の方をすぐに向けないのは、当たり前のことだ。
それに、こんな気持ちになってしまうのも。
俺も、抑えられなかった」
再び私を腕の中に誘った彼は、耳元でそうささやく。