私を壊して そしてキスして

彼の体温と規則正しい鼓動のせいか、その腕の中でまどろみながら、夢を見る。


ウエディングドレス姿の私。

教会の大きなドアが開いて、バージンロードの彼の元へ歩くと……
突然現れた愛希。


彼は、ためらうことなく、愛希の手を取って……。


「やっ」

「菜那、どうした?」


あの彼は、誰だったんだろう。

丁度ステンドグラスから降り注ぐ太陽の光のせいで、顔が見えなかった。




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