私を壊して そしてキスして
「迷惑だったら、最初から預かったりしない。
好きな女とこうしていられるのに、どうして迷惑なんだ?」
「でも……」
「お前一人くらいの飯くらい何とかなる。
それで肩身が狭いと言うのなら、食費の代わりのものをくれ」
「代わり?」
少し口角を上げて微笑んだ彼は、もう一度私を抱き寄せて、耳元で囁く。
「好きな女とキス」
驚いて思わず顔を上げると、真剣な顔の彼。
「冗談。だから信用ないって?」
次の瞬間顔に戻って、茶化すようにそう言う彼は、私の髪を優しく梳いた。