私を壊して そしてキスして

「仕事、さがそ」


何でもいい。

たいしたスキルもない私が、できる仕事なんて限られているし。
この不況の中で、選んではいられない。


近所の本屋に出かけて、就職情報誌をいくつか買ってくる。


「はぁ、全然ないや」


思ったより、難しい。
年齢制限だったり、資格だったり。

いくつかペンで印をしたものの、しっくりくるものはなかった。
難しいな。



リビングの机の上の、ウォータークローバーを眺める。

たくさん、増えてね……。


ウォータークローバーは、ドンドン増えていくらしい。
四葉がいっぱい……。


私の溜息も、吸い取ってほしい。




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