野良猫にも希望はある?
 
「君は、さっきから一人で、何をブツブツ言ってるの?」

 真結美さんは、不思議そうな顔で、僕の顔を覗き込んで来た。

「冷めない内に食べよっ!」

 いつの間にか、朝食の支度は終わっている。丸いちゃぶ台(テーブル)には、朝食が規律よく並べられていた。

 朝食のメニューは、半熟目玉焼きとトースト(2枚)。あと野菜サラダとオレンジジュース(100%)の計4品。真結美さんは、朝食をしっかり食べる派だ。

 僕は、真結美さんと向き合うようにして、座布団に座ると「いただきます」という掛け声で朝食を開始した。

〝食事中は黙れ!〟が真結美さんのモットーで、暫くの間二人の間に沈黙が続いた。

 でも、意外にも沈黙を破ったのは、真結美さんだった。
 
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