野良猫にも希望はある?
(今更考えても仕方がない……か)
〝前向きに生きる〟と言われても、一体どう生きていけば良いのか、僕には皆目見当もつかない。
まあ──世間一般常識に考えれば、普通に働いてお金を稼いで、普通に生活をする──なんだけど。
僕は《学校》という学舎で学んでいないので、情報知識が極めて低いのが現状である。今から学ぶという選択肢もあるが、お金が無いので却下。
「考えた事はまとまった?」
「…………え?」
僕は、また人差し指をおでこに当てている事に気づいた。
そして、真結美さんはシニカルっぽく微笑して「お金出してあげようか?」と言った。
「へ?………ええっ?!」
僕は一瞬心臓が縮んだ。
真結美さんは、またしても僕の心の内を読んだ。本当かよ。