野良猫にも希望はある?
野良猫は、姿を眩ましたか、死んだかのどちらかだろう。
どちらにしても、真結美さんは精神的なショックと、後悔を懸念したのかもしれない。
あれ?じゃあ──僕は野良猫の代わりという事に……なるのか?マジか?!
猫の代わりって、人間として末期だよなもう。
「────ま、だよね?」
「………はい?」
真結美さんは、前触れもなく、いきなりちゃぶ台をバシッと叩いた。それを見た僕は、背筋を伸ばして姿勢を正した。
「妄想に走るのもいいけど、人の話はちゃんと聞くっ!!」
「妄想じゃなくて考えた事です」と、言いたいが、この状況で口答えする度胸は、今の僕にはない。
「……今日暇だよね?」
真結美さんは、少し溜め息をついてから、改めて僕に言った。
「万年プータローです」なんて、口が裂けても言えないので、とりあえず僕は「はい」と素直に頷いた。