野良猫にも希望はある?
「買い物の付き添いですか?」
真結美さんは衝動買いをする癖がある。真結美さんが買い物に行く時は、必ず僕が荷物持ちとして繰り出される。
「違う、買い物じゃあないよ。由奈ちゃん、知ってるよね?」
由奈ちゃん?バイトの子だっけ?会った事ないけど。
「その由奈ちゃんが……どうしたんですか?」
「今日、お店が定休日って事も知ってるよね?」
真結美さんは、このアパートの向かいにある、カフェのオーナー兼マスターだったりする。
そして、由奈ちゃんは、そのカフェのバイト店員だったりするわけだ。
「はい、今日は火曜日ですから……で、定休日と由奈ちゃんの何の関係があるんですか?」
逆に僕が質問をすると、真結美さんは手を合わせ、神を拝むような仕草をすると、
「お願いします!由奈ちゃんの付き添いで図書館に行って下さい!」
真結美さんは、何故か敬語で僕にそう告げた。
そして、僕は2つ返事で承諾した
どうやら──今日は昼寝と散歩だけでは、1日が終わらないようだ。ちょっとワクワクしたり。
でも、これが吉と出るか、凶と出るかは僕には判らないが………。