野良猫にも希望はある?
 
 由奈ちゃんとの待ち合わせ場所は、図書館の入口前。

『野良猫と一緒にいる少女が由奈ちゃんだよ』と、真結美さんがスマホを渡す時に教えてくれた。

「野良猫……か」

 ふーん。由奈ちゃんと僕は気が合うかもしれないな。

 僕は想いを膨らまし、少しだけテンションを上げてから歩き始めた。

 僕はアパートを出て、直ぐの交差点を信号を待たずに、左へ曲がって裏通りに入る。

 裏通りは道幅が狭い為、車の交通量が少なく、人が徒歩で通るには丁度いい。

 周りの景色は、しつこい位に田んぼ、田んぼ、田んぼと田舎の殺風景が拡がっている。その裏通りを抜けると、一変して交通量の多い、町のメインストリートが姿を現す。
 
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