君がくれたもの
「今でこうなんだから、学生時代はもっとモテたはずよ。だから、旦那さんは他の誰かに奪われる前に自分の物にしたってわけ。」
「そんな、モテてなんか…」
「ほうら、本人に自覚がないんだから困ったもんよ。…社員の久我さんなんて、まだ諦めきれてない様子よ。」
彩香は、面白そうに、私をからかうような目で笑う。
芹沢くんは、何も言えずに困った顔をしている。
「ごっ、ごめんね。彩香の言うことは冗談だから…」
「まあまあ、後は、芹沢くんの歓迎会でね!」
そう言って、片手をひらひらとふりながら部屋を出て行く。