君がくれたもの
抱きしめられて…
思わず、彩香に助けを求めるように見ると、彩香は、気付かずにみんなと談笑している。
ど、どうしよう…
「私、大丈夫で…」
すると、急に横から手が伸びてきて、私の腕を引き寄せる。
「…っ」
見上げると、芹沢くんだった。
久我さんを睨むように見ている。
「僕も、お手洗いに行くので、連れて行きますよ。」
久我さんは、少し呆気に取られたように芹沢くんを見ていたが、
「あっ、ああ、じゃあ頼むよ。」
と、私の腕を、離した。
芹沢くんは、私を見ると何も言わず私を連れ出した。