君がくれたもの
「芽衣、どこにいるの?」
と、彩香の声がして、ハッと彼と顔を見合わせた私は、
慌てて芹沢くんを、押しのけた。
「こ、ここよ。彩香。」
彩香が、ヒョイと私たちのいるところを覗き込み
「あっ、いたいた。大丈夫?久我さんが心配してたわよ。戻って来ないから」
と、私と芹沢くんを見る。
「うん。ごめんね、気持ち悪かったから、芹沢くんに外に連れて来てもらったの。」
「そうなんだ。ありがとう、芹沢くん。あとは、あたしが付いてるから」
芹沢くんは、聞こえていないようで、グッと拳を握り俯いている。
「芹沢くん?」
彩香が不審に思い芹沢くんの肩を叩いた。
それで彼は、気が付いたように彩香を見た
「あっ、はい。僕は戻ってますね。」
と足早に立ち去った。