君がくれたもの
家に入り、電気も点けずにソファにドサッと倒れるように座る。
「はぁっ…」
さっきの芹沢くんの、精悍な胸板や、引き締まった体つきを思い出し
また、心臓がバクバクし始める。
彩香が来てくれなかったら、私、キスされてた?
両手で、顔を覆う。
ふと、自分の服から香水の香りがして、芹沢くんのだと思った。
かなり、動揺していた。
私に好意を持ってくれてるなんて、これっぽっちも思わなかった。
次から、どんな顔して会えばいいの。
「芽衣」
「キャッ!」
急に声がして、びっくりした私は声を上げる。
「どうした?電気も点けないで」
「和希…びっくりした」
「俺の方がびっくりしたよ。飲み会は楽しかったのか?」
「う、うん。少し酔ったかも」