君がくれたもの
気付く気持ち
あれから、芹沢くんとは、シフトがかぶることも無く会わずに済んでいた。
ホッとしている自分がいる。
「おっかしいなぁー」
店長が首を傾げている。
「どうしたんですか?」
「ああ、芽衣さん。芹沢くんなんだけどさぁ」
名前を聞いてドキッとする。
「今日、シフト入ってるのに、来てないんだよね。携帯に電話しても出ないし。
こんなこと、今まで無かったからどうしたのかと思ってね。」
確かに、芹沢くんが無断欠勤なんからしくない。
「あっ、芽衣さん、芹沢くんの家と近いって言ってたよね?」
「は…はい…」
「悪いんだけど、帰りに寄ってみてくれないかな。心配だし」
「えっ、私がですか?」
「何かわかったら連絡して。頼んだよ」
私は、慌てて、
「えっ、ちょ、待って下さい。店長!」
聞こえなかったのか、行ってしまう。