君がくれたもの
すると、なんとなく後ろに気配を感じる。
後ろに目を向けると、芹沢くんが側で私を見ていた。
芹沢くんは、ぎこちなく私に笑いかけた。
「この間は、有難うございました。迷惑かけて…」
私は、手を顔の横で振りながら
「気にしないで。…それより、元気になってよかった」
と言った。
でも、目を合わせられない…
芹沢くんは、そんな私を見て、何か言いた気な顔をしたが、じゃあ、と言ってその場を去って行った。
ほうっと息をつくと、すいません。と声を掛けられた。
「はい?」
見ると、髪の毛は肩までのストレートで目がクリッとした可愛い女の人が、私に微笑んでいた。
「あの…こちらに、バイトしてる芹沢亮くんて今日いますか?」