君がくれたもの
私は、何度か瞬きを繰り返して、
「え、ええ。いますよ、呼びましょうか?」
「お願いします」
私は、芹沢くんを探して、見つけると、芹沢くんに声を掛けた。
気が付いた芹沢くんは、私の後ろにいた彼女を見て、少し迷惑そうな顔をした。
「…バイト先にくんなって言っただろ?」
と、彼女の頭をこずいた。
「だぁってぇー。亮くん、電話もメールも返してくれないんだもん」
彼女は、拗ねたように芹沢くんを睨むようにして笑っている。
私は、俯くとその場を離れた。
彩香が私の側に来ると、2人を見て私に聞いた。
「芹沢くんの彼女?」
「し、知らない…けど、そうじゃないかな」
「ふうん、なかなかやるじゃん。芹沢くん」
私はまた俯いてしまう。