君がくれたもの



私は、何度か瞬きを繰り返して、

「え、ええ。いますよ、呼びましょうか?」

「お願いします」


私は、芹沢くんを探して、見つけると、芹沢くんに声を掛けた。

気が付いた芹沢くんは、私の後ろにいた彼女を見て、少し迷惑そうな顔をした。



「…バイト先にくんなって言っただろ?」

と、彼女の頭をこずいた。

「だぁってぇー。亮くん、電話もメールも返してくれないんだもん」

彼女は、拗ねたように芹沢くんを睨むようにして笑っている。




私は、俯くとその場を離れた。



彩香が私の側に来ると、2人を見て私に聞いた。


「芹沢くんの彼女?」

「し、知らない…けど、そうじゃないかな」

「ふうん、なかなかやるじゃん。芹沢くん」







私はまた俯いてしまう。















< 37 / 49 >

この作品をシェア

pagetop