君がくれたもの
許されない恋
力が抜けてしまい、その場でズルズルと崩れ落ちる。
咄嗟に芹沢くんは、手を伸ばし私を受け止めた。
私を抱え上げる様にして靴を脱ぎ、部屋に入るとベットの淵に私を座らせた。
芹沢くんは、私の前で、片膝をついている。
涙が溢れて止まらない…
視界が滲んで、芹沢くんが、どんな表情をしているのかさえ判らない。
そっと芹沢くんが、私の頬に手を伸ばし涙を親指でなぞって拭う。
「こんな顔、させたい訳じゃないのに…」
「……」
「こんなはずじゃ、なかったのに…」
と言って、芹沢くんは眼を伏せ唇を噛んだ。
私の膝の上で、彼の手が私の両手を包み込むように握っている。
芹沢くんの手の甲に、ポタポタと涙が落ちる。