君がくれたもの
私のマンションに着くと、芹沢くんが自転車を降りて私に自転車を渡す。
「あ、ありがとう。…」
芹沢くんは、ふっと私から目を逸らすと照れ臭そうに微笑んだ。
「じゃあ、お疲れ様。」
「それじゃあ。」
と、笑顔を見せて歩き出した。
私は、軽く芹沢くんを見送ると自転車置き場に自転車を置き、エレベーターに向かう。
夕飯の支度しなくっちゃ。
「和希!もう帰ってたの?」
玄関を開けると、和希の革靴があった。
リビングに行くと、和希がソファに座って雑誌を読んでいる。
「ああ、お帰り。今日は、出先から直行で帰って来たんだ。」
「そうなんだ。」
キッチンで支度をしていると、和希が後ろから抱きしめてくる。