帰る場所[短編]
美羽とは大学の親睦会という名の合コンで知り合った。
みんなが飲み始めて、いい加減盛り上がったときに美羽はやって来た。
生まれつき色素が薄いのか、抜けるように白い肌と、その肌にぴったり合った薄茶色の大きな瞳と、柔らかそうな髪が印象的で、男なら誰でも守ってあげたくなるような女の子だった。
馬鹿騒ぎするのが苦手で、隅っこで一人ビールを啜っていた俺の隣に座って、
「あたし、苦手なの。こういうの。」
と、困ったように、眉を下げ、静かに微笑んだ彼女に、俺は落ちた。
まさしく一目惚れ。
その瞬間から、俺は彼女の虜だった。
女性経験の浅かった俺は、馬鹿みたいに緊張しながら、彼女の連絡先を聞き出した。
美羽は、拍子抜けするほどあっさりと電話番号を教えてくれた。なぜか自宅の。